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・・・誰のもとにもささやかな幸せの日々を・・・
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おひさまの光、色とりどりの花、森の木々、雨や風。

わたしたちをとりまく自然には、
「ひかりのつぶちゃん」があふれているもの・・・。
見るだけで楽しくなる、生命の躍動感。


見えない何かを感じれますか?
見えない何かを探してみませんか?

そして、そこからパワーをもらおう!


dpg1tb11.JPG


*いのちの輝きを知る一冊*

「ひかりのつぶちゃん」(ビリケン出版)
かわかみ たかこ 作 

ビリケン出版 
http://www.billiken-shokai.co.jp/billiken_files/book/book_index_flame.html
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梅雨があけたね。
夏本番。

えっ!?
これ以上の酷暑が続くというのか?
想像しただけで、ダウンしそう。

ならば覚悟して、真夏の一冊を紹介・・・。 


9todgybn.JPG


ある暑い夏の午後、
ありがすいかをみつけてやってきた。

これはうまいぞ、巣に運ぼう!


丸ごとでないのにもかかわらず、
ありとの対比で巨大なすいか。

小さなありが、シャベルを使って
どんどんをほって、巣へとおっちら運ぶ。
すいかで巣がはちきれそう。

食べ過ぎておなかをパンパンにふくらまし、
ひっくりかえっているあり発見。

そんな細かい描写に、
しばらく心奪われて、
ページのすみずみまで見入ってしまう。


残った皮で遊ぶシーンは、
こどもではないが、まざってみたい!


たむらしげるさんの原点となった、
鮮やかでユーモラスな作品。

90年リブロポート刊の再刊。


*すいかがうまいぞの一冊*

「ありとすいか」(ポプラ社)
たむらしげる 作 1,365円(税込)

たむらしげるさんHP→スタジオ通信 
http://www.tamurashigeru.com/

ポプラ社 http://www.poplar.co.jp/index.html
こわがりのことこちゃんは、
おばけがこわくて、
夜、ひとりでトイレに行けない。
だから、おねしょをしてしまいます。

そんなことこちゃんが、
ある日、おばけの人形をひろいました。

その人形に
「ドロン」と名前をつけたことこちゃんは、
勇気を出して、
ドロンと一緒に夜のトイレに行ったのだけれど・・・。


これは、田中さんが学生時代からやりたかったこと、
描きたかったものを詰め込んだ作品になっています。

文章が長めなので、絵本としてはちょっと異質。



おばけってこどもたちにとっては気になる存在。

ちなみにおばけがついていて
守ってくれる・・・というのは、田中さん自身の感じ方。

見えないものに守られているように思えること・・・
それって、とっても大事な感覚に思えます。


田中さんが絵本に感動し、
魅せられたのがおとなになってから。

ですから、絵本を作り始めた時、
まったく「こども」のことは
考えていなかったといいます。

絵本の編集者が、
こども(だいたい幼児)という視点から
作品を見ることに、
大きなギャップを感じたのだそうです。

いくつか仕事をしていくうちに、
幼児の世界観に近づくことは、
簡単でないことを知ったようです。

こどもといっても、
せいぜい小学生以上を想定していた田中さんにとって、
「幼児」は新しい存在でした。


田中さんは、「こども」を、モノを知らないひと、
モノを考えないひと、という風には思わないと言い切ります。


知らなかった世界を知らなかったと言え、
柔らかなこころで受け止めた感性の産物・・・おみごと。


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*トイレにひとりで行く勇気をもらえる一冊*

「おばけがこわいことこちゃん」(ビリケン出版)
田中清代 作 1680円(税込)

ビリケン出版 
http://www.billiken-shokai.co.jp/

田中清代さんHP 
http://www.oyikakanat.com/jp/index.html
いっくんは、
電車のおもちゃで遊ぶのが好き。

今日は大好きなぬいぐるみたちと、
電車で海に行くことにしました。

ガタンガタン、ゴトンゴトン・・・。


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絵がモノガタル世界・・・
絵本の魅力はそこにあると思います。

文のおまけに絵があるのではない、
反対に、絵のおまけに文があるのでもない、
絵と文の呼び合う絶妙なバランス・・・。

シンプルな絵本の底力。

文章でつづってしまいたい気持ちをぐぐっと抑え、
極限まで文をそぎ落とすことは、大変な作業でしょう。


のぐちさんの、絵本作りに思いを傾けるきっかけが、
ただぼやっとした憧れとかではない、
苦悩の中で見た「光」ということを、
少しばかり知っているかわぎしとしては、
感慨深い作品の誕生です。

そうした彼女のこころのひだが、ニュアンスのある紙に、
あたたかなタッチでていねい描かれています。

電車の窓から見える
夏空に浮かぶ雲、そのみごとなこと!

ウンゲラーの「エミールくん」かと
思えるようなアイスクリーム屋さん、
「ラッコのドリドリちゃん」
(「ラスカル」の代わりかしら?)や「ふくろう」といった、
のぐちさんの大切にしてきたモチーフの登場・・・。

シンプルな文章のおかげで、
絵からどんどん物語がふくらんでいく気がします。
バムケロとはまた別の、
のぐちさんらしいシリーズ誕生の予感!

かわぎしは、まっくらなトンネルを
抜けようとするところの絵に、とても惹かれます。

個人的に、トンネルはとっても苦手なのだけれど、
このページは、これから視界に飛び込んでくるものへの
期待感が本当に募ってくるような「闇」が描かれています。

本当の「闇」を知るひとの
「光」への思いそのもののように・・・。


昨夜、幼稚園のお泊り保育でこの本を読んだ時、
たこのスイカ割りの絵をみつけた子は、
昼間したそれを思い出し、興奮しながら教えてくれました。

こどもたちがうらやましそうに
歓声をあげたのは、電車の中のおふろ!
そして、たくさんの落ち葉が降り積もる山でのかくれんぼ!

読み渡した時に、
自分も絵本の世界で遊ぶひとに出会えると、
ただ描きたいものを描くだけでなく、
引き取る相手を(こびるのではなく)意識して
作品を手掛けた作者の覚悟と努力を実感し、
本当に頭が下がるのでした・・・。

手渡した先で読みつがれる
「商業絵本」という産物を生み出す覚悟・・・。

お疲れさま!
そして、すてきな作品をありがとうございました。


*夢のでんしゃで旅する一冊*

「いっくんのでんしゃ」(福音館書店)
こどものとも年中向き 
2004年9月号(通巻222号) 8月上旬発売
のぐちくみこ 作 380円(税込)



8月7日より、
小野町のふるさと文化の館で、原画展が開催されます。

このHPのTOPをスクロールすると、
写真の下に、のぐちさんの手作りの案内が・・・。

かわぎしは、
彼女の私設応援団として、この生業をはじめました。
たくさんのひとに、彼女のあたたかな作品に、
ぜひ、ふれてもらいたいと思っています。

お近くの方は、ぜひ、お出かけ下さい。

福音館書店

小野町ふるさと文化の館 

ふるさと文化の館:外観&アクセス 




のぐちくみこ

1963年福島県に生まれる。
武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒。
お菓子のパッケージデザインやイラストを描いている。
自然を愛し、子育ての中で感じる
戸惑いや喜びを日記でつづった私家版
「うさちゃん奥州日記」は共感できる一冊。
絵本としての出版は本書が初めて。郡山在住。


・・・紹介した本を購入希望の方は、お問い合わせ下さい。
ピンクが好きで朝ねぼう、のんびりやのローズ。
ブルーが好きで早起き、せっかちなアイリス。

正反対の2人が友だちになったら、
好きなものも、ふれる世界も2倍になりました。

ともだちっていいね・・・を、作者らしく描いた絵本。

真っ白な表紙にすっと立つ、
ふたりの構図が本当にすてき。


花の名前から湧き出すイメージ・・・。
野に咲く花は、それぞれがそれぞれに美しいもの。
そんなテーマにぴったりくるタイトルだと思います。


「OZ MAGAZINE」の表紙で知られる
人気イラストレーター、メグ・ホソキさんの秀作。


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*違いを尊重するこころを知る一冊*

「ローズとアイリス」(文渓堂)1,575円(税込)
メグ・ホソキ 作 
夏ばてへろへろになっている場合ではありません。

(誰に言ってるんだろ?)



舞台は真夏の海水浴場。

砂浜で過ごすいろいろな果物たち。

プルーン、ザクロ、キワノ、ドリアン・・・

普段あまり目にすることのない、

ちょっと珍しい果物も登場します。

そうとうな果物好きと見た・・・。



なんと山村さんは、バナナを中心に、

果物に貼ってあるシールのコレクター。

なるほどなるほど。



いきのいいことばと、みずみずしいくだものたち。

早口ことば?だじゃれかしら?

いろんな角度から楽しめる作品です。



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*いきの良さを楽しむ一冊*

「くだものだもの」(福音館書店) 380円(税込)

こどものとも 年少版 2004年8月号

石津ちひろ 文  山村浩二 絵



福音館書店

http://www.fukuinkan.co.jp/index2.jsp





「不思議ワールド山村浩二アニメーション展」

昨年「頭山」で米アカデミー賞短編アニメーション部門ノミネート、仏アヌシー2003グランプリ(アニメーションでは世界最高峰の賞)。日本が世界に誇るアニメーター、山村浩二のアニメーション原画展が16日より開催。

八王子市夢美術館 7/16(金)−9/5(日)



八王子夢美術館で、アニメーション作家山村浩二さんの原画展が開催されます。

山村さんは昨年、短編アニメーション「頭山」で、米アカデミー賞短編アニメーション部門にノミネート、仏アヌシー2003では日本人初のグランプリ(アニメーションでは世界最高峰の賞)受賞に輝くなど、今や国内のみならず、国際的にも、その名を知られるアニメーション作家となっています。

アニメーションの制作からプロデュースまで、そのほとんどの作業を、ひとりでやりこなすという山村さん。その制作スタイルは、多くのお金を使って集団制作する商業アニメの、対極にあるやり方です。その表現を、色えんぴつ・マーカー・インク・ねんど・写真など、アナログな素材を中心に、多彩な技法を用いて制作を行なっています。ここに確かな、もうひとつの日本のアニメーションがあるのです。

以前「サカナカナ?」(福音館書店:こどものとも012.第82号)で、言いようのない展開のおかしさや、繰り返し楽しみたいと思える魅力を感じていましたが、なるほど・・・このひとの手で、絵に命が宿り、動き出すのだなぁ。

ヤマムラアニメーション上映会・講演会・つくって知るアニメのしくみ体験教室など、関連プログラムもあり。



八王子夢美術館 http://www.yumebi.com/
絵は 見せるために描くのではなく 5h3532m0.JPG

自然と出逢うために描く

自分が 自然の一部分で 

自然の摂理のなかに在ることと出逢う

(木葉井悦子のノートより)




数々のことばと、

大胆で強烈なタッチで描いた絵本をのこし、

木葉井悦子さんは逝ってしまった。

大胆な線と明るい色

・・・多くの彼女の作品のイメージ。



そのイメージとは、

趣を異にするこの「ぼんさいじいさま」は、

1985年偕成社より発表された、

彼女の絵本作品としては初期の作品。



力強さの中に繊細さを秘め、

生きることと死ぬこと、うまれることと旅立つことが、

静かに、印象的に描かれている。

生の終わりを、寂しさや切なさだけではなく、

あたたかさをもって見つめた傑作絵本が、20年ぶりに復刊。



*いきるということを知る一冊*

「ぼんさいじいさま」(ビリケン出版)1680円(税込)

木葉井悦子 作



・・・春の空が、青く晴れわたったある朝、

ぼんさいじいさまの前に突然あらわれた小さなひいらぎ少年。



「じいさま、きょうのことは、ずーっと前からきまっていました」

「おお、そうだったのかい」



猫や馬、ニワトリにでんでん虫にトノサマガエル、

いろいろな生き物に見送られ、彼岸へ旅立つぼんさいじいさま。




桜咲く春の頃に紹介したかったなぁと思いますが、ご勘弁。

今、8月7日&8日、花屋さん「プチフルール」での

絵本ライヴのための選書をしていて、

はずせない作品と思い、今日の紹介となりました。



大地と命を描いた画家・・・木葉井悦子さん・・・。





木葉井悦子(1937〜1995)

東京都小金井市に生まれる。

武蔵野美術大学にて油絵を学んだ後、絵画制作に打ち込む。

アフリカに傾倒し、その滞在の体験をもとにした

初めての絵本『あかいめのしろヘビ』(1978年)を出版後、

絵本作りに携わり、生涯で17冊あまりの本を手がける。

代表作品に『みずまき』(講談社)、

『カボチャありがとう』(架空社・共に1994年刊)などがある。

2000年にご遺族より、

ほぼ全ての作品が軽井沢絵本の森美術館に寄贈されて以来、

そこで毎年小さな展覧会が行なわれている。
せっかくの夏休みだというのに、

父親の仕事が忙しくて、

どこにも行けない少年トミー。

旅行に出かける近所のひとの、

鉢植えを預かるアルバイトを思いついた。



不満ブーブー言ってふくれないところが偉いや。

物事の解釈って、角度変えてみれば、

逆境がチャンスになり得るってこと?



夏休みにはみんな出かけるらしい。

鉢植えは、トミー家の部屋を占領していく。

庭はもちろん、家の中も、鉢植えだらけになっていく。



母親は何ももんくを言わない。

手出しもしない上にアドバイスもなし。



父親は、あちこちぶつかったり、

うっとおしそうだったりで、

不快感をはっきり顔に出している。

でも、ぐっと相当がまんして、暮らしてゆく。



はらはらするけれど笑えるわ!



トミーはひたむきに、水やりをし、

日当たり加減も変えなきゃならないから、

置く所を工夫してみたり、

わからないことは

とことん調べ考えて、手入れをしてゆく。



そのことばかり考えて暮らしているせいで、

夢の中でも植物漬け。



愛される鉢植えは、

その期待に応えるかのように、もっと元気に成長。



どんどん大きくなったおかげで、

ジャングルと化した家の中!

きゃーっ!どうする?



幼ないけれど、

誇らしげにビジネスをひとりでやってのけるトミーに、

かわぎしは尊敬のまなざし・・・。

たくましいねぇ。



家の中がすごい事になっても、

がまんし止めさせずにいた両親はあっぱれ。

かなりあっぱれ。

父親自身、

休みをとれないことへの負い目を感じてたのかな。

休みたいのは山々・・・辛いとこです。



両親とも、放任のように見えがちだけれど、

実は、トミーのことを信頼し、

まかせて見守っているのだということもわかる。



かわぎしには無理・・・。



最後の父親のことばが粋。すごい家族だ。



たったひとつでいい。

こだわり関わり続けれる何かと出会いたいもんだ。

障害は様々あれど・・・。



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*自力で成し遂げる充実感に会える一冊*

「はちうえはぼくにまかせて」

(ペンギン社)1,260円(税込)

ジーン・ジオン 作  

マーガレット・ブロイ・グレアム 絵  

森比左志 訳
こどもを描く時の「こども」に

嘘っぽい甘さや幼稚さが強調された時、

へきえきとしてしまいます・・・。



幼かろうと、自分を主張する彼らを、

酒井駒子というひとは、本当に良く知っていると思います。

知っているからこそ、

彼女の描く子どもの寂しげな印象は、

実感できる記憶でもあります。

表情はもちろん、そのしぐさ、歩き方・・・外見も内面も、

こどもをちゃんと見てきたひとしか描けない・・・。

胸がしめつけられるほどです。



彼女は、乳幼児を夜間預かる託児所で働いていました。

様々な境遇の中、思いを抱えすごす子どもに寄り添い、

五感のすべてでこどもを知ったんだな。



「リコちゃんのおうち」は別として

(かわぎしは大好き!!)

ぼく、おかあさんのこと・・・」「よるくま」以降の

作品の中のこどもの寂しげな感じは、

きらい・・・というか、痛い感覚・・・でした。

本当のことが描かれていたから。

こどもの方がおとなにあわせてくれたりする現実を

突きつけられているようで、とても切なくなりました。

なのに、次はどんな作品を描くんだろう・・・と、

とても気になる作家のひとりになっていきました。

ただものじゃない・・・。



この作品は、

ふうせんを手に入れて友達になった喜びも、

手元から離れてしまった時の悲しさも描かれ、

切なくはあるけれど、

こどもを見守り包み込むあたたかさも感じられて、

とても気に入っています。



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*自分の中のこどもに会える一冊*

「ロンパーちゃんとふうせん」

(白泉社)1,260円(税込)

酒井駒子 作 



*原画展のお知らせ*

夢みる子どもたち 酒井駒子絵本原画展 

2004年6月30日(水)〜9月13日(月)

安曇野絵本館 http://www.ehonkan.net/index.html

〒399-8301 

長野県南安曇野郡穂高町有明2186-117

TEL:0263-83-6173
住む。

表紙ロゴの句点が半円

(ここでそのように表示できない!残念!)なのには、

「住まいは完成しない。住み手が育てるもの」という意味が

こめているからなんだそうです。

深く納得。

ワークショップのあり方で注目している「プランターコテッジ」や

手仕事や手渡す感覚へのこだわりがすてきな「TeTe Cafe」

・・・すてきなひとやスポットが紹介されています。



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*暮らしのスタンスを考える一冊*

「住む。2004年夏号」(農文教)1,200円(税込)

http://www.sumu.jp/index.html



農文教って、誠実な本作りをするところだなぁという印象です。

いずれ紹介したい、

そだててあそぼう(園芸絵本)のシリーズも必見です。

総合学習向けのつくりだけれど、

1冊1冊個性的な絵の作家さんを起用していて、

違った角度から楽しめます。
本屋しているくせに、とことん活字が苦手。

世の中のヒット作とかいうと、

へそ曲がりであえて手にしないし・・・あまのじゃく・・・。

そのかわぎしが、一気に読んだ。



まあや点滴のハプニングの中、読破できて複雑な気分。



まあやにすすめられて、母が読み、涙した。



この前「ハチミツとクローバー」というまんがも

すごくすすめられて、はまった・・・。

どうでしょ、わが家の図・・・。





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死んだはずの「ぼく」の魂にむかって天使が言った。

「おめでとうございます、抽選にあたりました!」



・・・罪を犯して死んだぼくは、本当は、

罰として生まれ変わることができないはずだった。

けれど、神さまの抽選に幸か不幸か当たってしまい、

もう1回というチャンス(ほんとにチャンス?)を与えられる。

そして、輪廻のサイクルに戻るために、

下界にいる誰かの体を借り・・・

天使業界では「ホームステイ」というらしいのだけれど・・・

前世で犯した事実を思い出さなければならなくなった。



「ホームステイ」先は「小林真」という

自殺したばかりの14歳の少年だった。

「真」は絵を描くのが得意だけれど、それ以外は、

親友と呼べる友だちもいない、さえない奴。



父親は自分だけよければいい偽善者で、

母親はフラメンコの先生と浮気中。

好きな女の子は、中年オヤジと援助交際中。



・・・次々と知る現実に、そりゃあ、がく然としてしまうよね。

テンションが一気に下がる「ぼく」。



「ホームステイ」はお気楽な仮の宿という状況の中、

「ぼく」は「真」のこともまわりのことも、

引いて見る目を持った。

「ぼく」は、世界はそんなに単純じゃないってことを

徐々に知っていく・・・。



どこにでもいそうな誰かの存在と、

そこでの互いの距離感は、

物語でありながら、現実世界を十分感じさせてくれる。

アイデンティティーを見つめるテーマには、

くささがありがちだが、

かわぎしは、この作品にやられた・・・。



シナリオライターの森さんは、

生き生きとしたうまいセリフとそのテンポの良さで、

読み手の背中をぐいっと押し、一気に読ませてくれる。



世界はたくさんの色に満ちている・・・



*それぞれの色を知る一冊*

「カラフル colorful」(理論社)

森絵都 作 長崎訓子 絵1,575円(税込)



理論社 http://www.rironsha.co.jp/
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プロフィール
HN:
Pooh &Pea
性別:
女性
自己紹介:
アナログ・ローテク・規模最小の無店舗書店。数冊絵本を小脇に抱え細々行商しています。

こころ潤う時間というものは、ひとそれぞれ違うけれど、それは前向きに生きる確かな力になるんじゃないかな。暮らしの中に転がるそんなもののひとつとして、こころ寄り添う絵本を一冊あなたに届けたくて、小さな絵本屋を営んでいます。

Pooh&Pea(ぷぅあんどぴぃ)は、愛娘ふたりの幼い頃のニックネーム。「こどもたちからもらった広がる世界」の思いを込めて店の名前に決めました。

ここでは、絵本屋としてのアプローチの他、柔道のことや、我が家のさもない日常を書きとめています。

目をこらし耳をすまして絵本に会おう。
本のお届けには、少々お時間頂くことになりますが、心を込めてお届けします。あなたもいつかとっておきの絵本と出会えますように!
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