忍者ブログ
・・・誰のもとにもささやかな幸せの日々を・・・
2024-091 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 prev 08 next 10
1295  1296  1297  1298  1299  1300  1301  1302  1303  1304  1305 
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

いっくんは、
電車のおもちゃで遊ぶのが好き。

今日は大好きなぬいぐるみたちと、
電車で海に行くことにしました。

ガタンガタン、ゴトンゴトン・・・。


03eyoitu.JPG


絵がモノガタル世界・・・
絵本の魅力はそこにあると思います。

文のおまけに絵があるのではない、
反対に、絵のおまけに文があるのでもない、
絵と文の呼び合う絶妙なバランス・・・。

シンプルな絵本の底力。

文章でつづってしまいたい気持ちをぐぐっと抑え、
極限まで文をそぎ落とすことは、大変な作業でしょう。


のぐちさんの、絵本作りに思いを傾けるきっかけが、
ただぼやっとした憧れとかではない、
苦悩の中で見た「光」ということを、
少しばかり知っているかわぎしとしては、
感慨深い作品の誕生です。

そうした彼女のこころのひだが、ニュアンスのある紙に、
あたたかなタッチでていねい描かれています。

電車の窓から見える
夏空に浮かぶ雲、そのみごとなこと!

ウンゲラーの「エミールくん」かと
思えるようなアイスクリーム屋さん、
「ラッコのドリドリちゃん」
(「ラスカル」の代わりかしら?)や「ふくろう」といった、
のぐちさんの大切にしてきたモチーフの登場・・・。

シンプルな文章のおかげで、
絵からどんどん物語がふくらんでいく気がします。
バムケロとはまた別の、
のぐちさんらしいシリーズ誕生の予感!

かわぎしは、まっくらなトンネルを
抜けようとするところの絵に、とても惹かれます。

個人的に、トンネルはとっても苦手なのだけれど、
このページは、これから視界に飛び込んでくるものへの
期待感が本当に募ってくるような「闇」が描かれています。

本当の「闇」を知るひとの
「光」への思いそのもののように・・・。


昨夜、幼稚園のお泊り保育でこの本を読んだ時、
たこのスイカ割りの絵をみつけた子は、
昼間したそれを思い出し、興奮しながら教えてくれました。

こどもたちがうらやましそうに
歓声をあげたのは、電車の中のおふろ!
そして、たくさんの落ち葉が降り積もる山でのかくれんぼ!

読み渡した時に、
自分も絵本の世界で遊ぶひとに出会えると、
ただ描きたいものを描くだけでなく、
引き取る相手を(こびるのではなく)意識して
作品を手掛けた作者の覚悟と努力を実感し、
本当に頭が下がるのでした・・・。

手渡した先で読みつがれる
「商業絵本」という産物を生み出す覚悟・・・。

お疲れさま!
そして、すてきな作品をありがとうございました。


*夢のでんしゃで旅する一冊*

「いっくんのでんしゃ」(福音館書店)
こどものとも年中向き 
2004年9月号(通巻222号) 8月上旬発売
のぐちくみこ 作 380円(税込)



8月7日より、
小野町のふるさと文化の館で、原画展が開催されます。

このHPのTOPをスクロールすると、
写真の下に、のぐちさんの手作りの案内が・・・。

かわぎしは、
彼女の私設応援団として、この生業をはじめました。
たくさんのひとに、彼女のあたたかな作品に、
ぜひ、ふれてもらいたいと思っています。

お近くの方は、ぜひ、お出かけ下さい。

福音館書店

小野町ふるさと文化の館 

ふるさと文化の館:外観&アクセス 




のぐちくみこ

1963年福島県に生まれる。
武蔵野美術大学基礎デザイン学科卒。
お菓子のパッケージデザインやイラストを描いている。
自然を愛し、子育ての中で感じる
戸惑いや喜びを日記でつづった私家版
「うさちゃん奥州日記」は共感できる一冊。
絵本としての出版は本書が初めて。郡山在住。


・・・紹介した本を購入希望の方は、お問い合わせ下さい。
PR
NAME
TITLE
COLOR
MAIL
URL
COMMENT
EMOJI
Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
PASS
TRACKBACK URL 
Counter
プロフィール
HN:
Pooh &Pea
性別:
女性
自己紹介:
アナログ・ローテク・規模最小の無店舗書店。数冊絵本を小脇に抱え細々行商しています。

こころ潤う時間というものは、ひとそれぞれ違うけれど、それは前向きに生きる確かな力になるんじゃないかな。暮らしの中に転がるそんなもののひとつとして、こころ寄り添う絵本を一冊あなたに届けたくて、小さな絵本屋を営んでいます。

Pooh&Pea(ぷぅあんどぴぃ)は、愛娘ふたりの幼い頃のニックネーム。「こどもたちからもらった広がる世界」の思いを込めて店の名前に決めました。

ここでは、絵本屋としてのアプローチの他、柔道のことや、我が家のさもない日常を書きとめています。

目をこらし耳をすまして絵本に会おう。
本のお届けには、少々お時間頂くことになりますが、心を込めてお届けします。あなたもいつかとっておきの絵本と出会えますように!
最新CM
[04/08 みー茶]
[04/07 toramaru]
[04/05 toramaru]
[03/30 みー茶]
[02/09 『LOVE! BERG!』]
ブログ内検索
Mail Form
アクセス解析
"Pooh &Pea" WROTE ALL ARTICLES.
PRODUCED BY SHINOBI.JP @ SAMURAI FACTORY INC.
忍者ブログ [PR]