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鏡石の鹿島神社参集殿で
『 野口和洋 木口(こぐち)木版画展 』 が開催中。
趣あるすてきな会場です。
参集殿入り口の様子。
『恋する林檎』と出会う・・・。
左手がほぼ肖像。
奥に『夢みる林檎』ずらり。
右手に、十二宮。
野口和洋さん(野口工作舎)の初個展に伴い、
ここで、和洋さんの作品について、少しずつ紹介していきます。
野口和洋 木口木版作品 1995年
今回は、1956年制作作品と、作者による作品解説を紹介します。
Sの肖像 Portrait S
1924年、パリに渡った26歳の佐伯は、
里見 勝蔵の仲介で、あこがれのヴラマンクに出会います。
自信作の50号の裸婦像をたずさえての訪問でした。
しかし、佐伯の絵は、
そのヴラマンク自身の口から酷評されたのでした。
これを境に、佐伯の絵は一変します。
失意のまま描かれた『立てる自画像』からは、
顔が消されていました。
孤独な異邦人は、
うらぶれたパリの街角に天気かまわず毎日のように立ち、
もがき苦しみながらも恐ろしい早さで描きまくり、
数々の代表作が生まれることになります。
しかし、その代償は30歳という若さで
パリに客死するという運命でした。
命とひきかえに、自分の絵を手に入れるため、
全てを捧げた戦いの日々だったのです。
わたしには、
『立てる自画像』から顔を掻き取った佐伯の心情を思うとき、
天才故の己に対する厳しさと運命の非常さを思うばかりです。
( Ed.50 サイズ:20×15 雁皮、アルシュ 1996年 )
eastern youth
「旅路ニ季節ガ燃エ落チル」の
CDジャケットとして
佐伯祐三の『立てる自画像』が使われているのを、
ずいぶん前にCDレンタルショップで発見・・・
点と線が繋がる気持ち。
Gの肖像 Portrait G
ひまわりを描きながら、ゴーギャンを待つゴッホ。
ゴッホは、純粋な心の人である。
しかし、ゴッホにまつわるエピソードには、
その激しい言動ゆえに、
すべてがゴシップと狂気に置き換えられてしまうのです。
彼の人生を思う時、あまりに純粋であったがために、
恐ろしく不器用であったということだけなのに。
奇異に見えるゴッホから生まれた作品が
今日まで輝きを失わないのは、
その心の美しい結晶そのものだったからではないでしょうか。
( Ed.50 サイズ:17.5×12.5 雁皮、アルシュ 1996年 )
Nの肖像 Portrait N
死に神にとりつかれた天才画家、中村つね。
24歳で結核によって喀血して以来、
1924年の37歳でなくなるまで、
病魔に冒された肉体とは別に、
『エロシェンコ氏の像』などの名作が
次から次と生まれていきます。
命が病によって刻々と削られていくにもかかわらず、
中村つねの描く人物像は、
どれもみずみずしく生気に満ちあふれているのです。
「真の写実家」を自認していた中村が亡くなる2年前に、
鬼気迫る素描の『自画像』を残していますが、
その素描を元に、
死に直面したつねの想いを表現したく版にしたものです。
( Ed.50 サイズ:17.5×12.5 雁皮、アルシュ 1996年 )
*作品写真および作品に添えられていた解説文は、すべて、
作者野口和洋さんの許可のもと、このBLOGで紹介しております。
野口和洋 木口木版画展
平成19年4月22日(日)~4月30日(月)
午前10時~午後6時 会期中無休
会場:
鏡石 鹿島神社 参集殿
福島県岩瀬郡鏡石町鹿島379
TEL:0248-62-1670
野口さんとのご縁・・・
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こころ潤う時間というものは、ひとそれぞれ違うけれど、それは前向きに生きる確かな力になるんじゃないかな。暮らしの中に転がるそんなもののひとつとして、こころ寄り添う絵本を一冊あなたに届けたくて、小さな絵本屋を営んでいます。
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