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・・・誰のもとにもささやかな幸せの日々を・・・
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呼ばれたように感じ出かけた、
トコトン!神沢利子展」の会場 
(三鷹駅南口前コラル5F)
三鷹市美術ギャラリーで、
この「えぞまつ」に出会いました。



1985年1月2日、
神沢利子さんの夫 古河俊造氏は、
黄泉の国へ旅立たれたそうです。

神沢さんは、
祖父の死を悲しむ幼い孫たちのことを
エッセイ集の中で、こう記されました。



むかいに住む長女の二年生の男の子は、
いつも遊んでいた犬のぬいぐるみを寝かせて、
布をかぶせたまま、もう遊ぶことをしなくなったという。

また、離れて住む次女の一年生の男の子も、
毎日あきずに遊んでいた宇宙ロボットの人形を
玩具箱に横たえ、ハンカチをかぶせて、
以後遊ぶのをやめてしまったと聞いた。


ふたりの孫たちのいいあわせたようなふるまいに、
わたしは胸をつかれた。




「天の橇(そり)がゆく」(福音館書店)
神沢利子 著  宇野亜喜良 装幀・挿画   より 抜粋






「えぞまつ」は、そんな孫たちのため、
神沢さんが思いを込め、
「倒木更新」・・・うけつがれるいのちを描いた作品です。



この作品を書くことで、誰よりも
神沢さんご自身が、夫の死の理不尽さを
納得したかったことに気づかされたと、
後に語られています。



そうして、このきたちも また あるひ たおれる。

そのうえに たねが おち、
あたらしい いのちが そだっていくのだろう。

としとったものから つぎのものへ、
いのちは うけつがれてゆくのだ。

このよの あるかぎり。




科学絵本ではあるけれど、
根っこで死生観へとつながる味わい深さ。







大事に、生きていこうと思いました。





*受け継がれるものの一冊*
「えぞまつ」(福音館書店)・・・現在入手不可
神沢利子 文   吉田勝彦 絵  有澤浩 監修
初版1986年





「光村ライブラリー12 野ばら」
(光村図書)1,050円(税込)にも収録されています。
こちらは現在入手可能です。





参考資料:
トコトン!神沢利子展~いのちの水があふれだす~」図録  1,500円

編集
神沢利子展プロジェクト実行委員会・三鷹市

発行
〒181-8555  東京都三鷹市野崎1-1-1
三鷹市生活環境部コミュ二ティ文化室 絵本館担当




トコトン!神沢利子展
~いのちの水があふれだす~



三鷹市民を中心に
約200人のボランティアで構成される
「神沢利子展プロジェクト実行委員会」
及び三鷹市が主催した本展。

神沢利子作品の一読者としての目線、
子どもも大人も楽しめることを重視しての、
関わるひとすべての想い響きあう、みごとな企画でした。






過去Blogより・・・

行って良かった   2008/01/12 (Sat)

ふらいぱんじいさん   2008/01/17 (Thu)
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神沢利子さん展、いきたかったです。子どもにウーフを読んでやって、自分も幼い頃、神沢さんの本をたくさん読んでいたことに気が付きました。

えぞまつの一文、すてきですね。親になってみて、しみじみとその意味がわかるような気がします。
たか EDIT
at : 2008/01/22(Tue) 00:12:01
展示は見事でした
三鷹でやるからこそ実現した展示だったと感じています。展示は終わってしまいましたが、個々人で作品を味わうことは、これからもできます。ご自身の読んだ記憶、お子さんに読んであげた記憶、そして、今手にして味わうこと、そこにつながるとしたら、本当にすてきなことだと思うし、本の魅力は、そこにあると思います。・・・えぞまつ・・・その展示の前から去りがたく、しばらく立ち尽くしていました。涙しましたが、とても勇気づけられましたよ。
at : 2008/01/22 09:09
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アナログ・ローテク・規模最小の無店舗書店。数冊絵本を小脇に抱え細々行商しています。

こころ潤う時間というものは、ひとそれぞれ違うけれど、それは前向きに生きる確かな力になるんじゃないかな。暮らしの中に転がるそんなもののひとつとして、こころ寄り添う絵本を一冊あなたに届けたくて、小さな絵本屋を営んでいます。

Pooh&Pea(ぷぅあんどぴぃ)は、愛娘ふたりの幼い頃のニックネーム。「こどもたちからもらった広がる世界」の思いを込めて店の名前に決めました。

ここでは、絵本屋としてのアプローチの他、柔道のことや、我が家のさもない日常を書きとめています。

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